発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008233807
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6歳男児。左中指の変形と関節可動域(ROM)制限を主訴とした。左中指PIP関節の自動屈伸は不能であり、他動ROM(伸展/屈曲)は-15°/35°で、軽度腫脹を伴い、5°尺側偏位していた。単純X線像にて基節骨遠位端変形を認め。三次元CTでWeiss分類class IVの基節骨単顆骨折変形治癒と診断し、全身麻酔下に手術を施行した。尺側側副靱帯を中節骨側で切離しPIP関節を展開し、掌側冠状(volar coronal)骨片が近位側に回旋転位して癒合していたため、メスで切離して骨片を遊離して整復し、3本のKirschner鋼線を用いて固定した。その後、切離した尺側側副靱帯をpull-out法にて修復した。術後6週間アルミシーネを用いて外固定を行い、術後6週で抜去し、その後は愛護的に関節ROM訓練を行った。術後2年、単純X線像で基節骨遠位端尺側の関節面の不整はあるが、自動関節ROMは遠位指節間関節0°/80°、PIP関節-30°/80°、握力健側比86%で、日常生活での支障が少ない程度にまで改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008