発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008366091
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例1:57歳男。発熱、腰背部痛を主訴とした。単純X線でL4/L5間に椎間板腔狭小化、椎体変形を、腰椎MRIのT2強調像で同部位に高輝度変化を認め、胸椎MRIのT2強調像ではTh5椎体に高輝度変化を認め、化膿性脊椎炎が疑われた。ただちにセフメタゾールナトリウムを開始したが、意識レベル、腎機能が低下し、急性腎不全の診断で緊急透析となった。徐々に意識レベルは正常となり、腎機能も安定したが、意識回復後に対麻痺を認め、胸椎MRIのT2強調像でTh5椎体は圧潰しており胸髄の圧迫を認めた。全身状態不良にて手術は断念し、その後、呼吸状態が悪化し死亡した。症例2:61歳女。腰痛、発熱を主訴とし、単純X線でL1/L2、L4/L5間に椎間板腔狭小化および椎体変形、MRIのT2強調像で同部に高輝度変化を認め、化膿性脊椎炎と診断した。画像所見にて化膿性脊椎炎と診断し、セフォゾプラン塩酸塩を開始するも解熱せず、イミペネム・シラスタチンナトリウム配合に変更した。その後、偽膜性腸炎を併発し、腎機能障害も増悪したため抗生物質を中止し、安静加療のみで経過観察した。その後の画像所見で病変はTh12/L1間まで波及しているが、症状、炎症反応は軽快傾向である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008