発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011226894
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は11歳女児で、感冒様症状、40℃の発熱を認めたが2日で軽快した。2週間後に腰背部痛が出現し、前屈が困難となり、更に2週間後に腰背部痛が増強し再び発熱したため受診した。体温38.1℃で、脊柱不撓性及び下位胸椎に叩打痛を認めた。血液検査でESR50mm(1時間値)、CRP2.1mg/dlであったが神経学的異常所見はなかった。単純X線正面像でTh11、Th12の右側に軟部陰影増強を、側面像で同部位に椎間腔の狭小化を認めた。また、MRIのT1強調像でTh12の輝度低下、椎体上縁の終板に不整像を認めた。T2強調像では椎体の瀰漫性高輝度変化と上位終板から前方の傍脊柱軟部組織に広がった境界明瞭な高輝度領域が観察された。化膿性脊椎炎と診断し、安静とアンピシリン・クロキサシリンの経静脈的投与を1週間続けたが症状が改善しないため、CTガイド下生検を行った。治療2週目のT2強調像で傍脊柱軟部組織の高輝度領域はほぼ縮小したが、Th12上位終板の高輝度像は椎間板を介しTh11椎体下縁に波及していた。治療7週目のT2強調像では傍脊椎軟部組織の高輝度領域はほぼ縮小し椎間板と上下隣接終板の高輝度像も縮小していた。治療開始8ヵ月目には椎体の輝度はほぼ回復していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011