小児整形外科疾患 診断・治療の進歩
手術的治療の進歩 変形矯正など 多発性軟骨性外骨腫症の前腕再建
森澤 妥
1
,
高山 真一郎
,
関 敦仁
,
福岡 昌利
1国立病院機構埼玉病院 リハビリテーション科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
骨長延長法
,
骨軟骨腫
,
再手術
,
尺骨
,
前腕
,
X線CT
,
軟骨疾患
Keyword:
Cartilage Diseases
,
Bone Lengthening
,
Forearm
,
Radiography
,
Reoperation
,
Osteochondroma
,
Ulna
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Range of Motion, Articular
pp.223-229
発行日 2013年10月20日
Published Date 2013/10/20
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2014039880
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多発性軟骨性外骨腫症(外骨腫症)による前腕の変形に伴う障害を、1)骨腫瘍摘出と再発、2)前腕回旋制限に対する治療、3)前腕成長軟骨障害と尺骨延長の3項目に分けて検討した。1)外骨腫瘍摘出術を行った60例の検討では、外骨腫の再発は20例で認め、部位は橈骨遠位や尺骨遠位、大腿骨遠位が多かった。再発例の手術時年齢は平均7.5歳で、非再発例の平均9.9歳よりも有意に低かった。2)外骨腫症による前腕回旋制限に対し手術を行った8例について検討すると、外骨腫の発生部位は橈骨・尺骨遠位1/3が5例、遠位橈尺関節部が3例であった。発生部位と回内外制限の病態の関連は、橈骨・尺骨遠位1/3発生例では回内位固定が2例、回内制限が3例、遠位橈尺関節部発生例では回外位固定、回外制限、中間位付近での制限が各1例であった。全例で原因となっている部位の外骨腫切除を行い、術後ROMの増加が得られた。3)外骨腫による前腕変形に対し外骨腫切除と尺骨骨延長を行った13例について検討すると、平均26ヵ月の観察期間で%RB、RAA、CSは有意に改善した。2例で尺骨短縮の再発が認められたが、橈骨の彎曲変形は軽度で再延長は行わなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013