発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013191394
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12歳女。約1年前からサッカーをする際に右膝内側部の痛みが出現し、徐々に悪化して保存的治療で軽快しなかった。単純X線の正面像で右鵞足付着部付近に、疼痛部位と一致してくちばし状に膨隆した境界明瞭な骨隆起と遊離した骨片を認めた。超音波検査では遊離体の近くに半腱様筋腱、薄筋腱と思われる腱があり、膝関節屈曲・伸展に伴い腱と遊離体が引っ掛かっていた。これらの腱を遊離した骨軟骨片が刺激することが疼痛の原因と考えられ、手術を施行した。半腱様筋腱、薄筋腱の近くに遊離した骨軟骨片を認め、これを摘出した。また、これらの腱の裏に骨軟骨腫を認めたため、これも切除・摘出した。病理組織学的に遊離骨片は骨軟骨片で、切除した骨軟骨腫は軟骨帽の部分を認めなかった。術翌日より荷重歩行を開始し、術前に認めた跛行は消失した。術後1ヵ月でジョギングを開始し、術後2ヵ月でサッカーに復帰可能となり、術後1年の現在、疼痛の再発はなくサッカーを継続している。
©Nankodo Co., Ltd., 2013