発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008146470
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25歳男性。患者は左大腿部の脱力感が生じ、その後、左大腿から膝にかけての痛みで他院より紹介受診となった。所見では腰椎屈曲伸展は軽度制限があり、下肢伸展挙上(SLR)テストは左70°で痛み、L2/L3に叩打痛、更に左大腿前面に知覚異常を認めた。一方、MRIではL3椎体上縁部にL2/L3椎間板と連続するT1強調で低信号、T2強調で均一な高信号を呈する腫瘤を認め、造影MRIでは辺縁部のみが造影された。以上、これらのことから本症例は椎間板嚢腫と診断され、治療として保存的に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が選択された。そしてその服用にあたっては患者が医師であるため本人任せとした。痛みは5週後に消失したが、約7ヵ月後、腰痛と右臀部痛で患者は再来院となり、所見では腰椎前屈不可をはじめ後屈軽度制限やジャックナイフテスト陽性がみられた。また、SLRテストは右40°で右臀部痛、L4/L5、L5/S1に叩打痛を認めた。最終的にMRIを行い、右L5/S1の椎間板ヘルニアと診断され、今回も保存的治療で軽快となり、以後、再発は認められていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008