発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008178562
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49歳男。発熱、左肩・背部痛が出現し、蜂窩織炎および肺炎の診断で加療後寛解したが、その後再燃を繰り返した。骨シンチグラムで左第1肋骨に集積を認め、骨髄炎が疑われたが、X線で骨破壊像は認めず、経過観察を行い症状は軽快した。しかし再度症状が再燃し、塩酸ミノサイクリン点滴を行うも労作時の左前胸部痛が持続した。X線で左第1肋骨に骨硬化像および骨溶解像の混在を、CTでは破壊像を認めた。MRIではT1強調像で低信号、T2強調像で高・低信号混在を示し、Gdで内部が造影された。左第1肋骨肋軟骨移行部の掻爬・切除生検を行い、骨の脆弱化および肉芽の混在を認めたが、膿汁の排出はなかった。骨生検標本では形質細胞主体の炎症細胞浸潤および肉芽組織を認め、骨髄炎と診断した。細菌培養では黄色ブドウ球菌が検出された。術後左前胸部痛および肩挙上時の轢音は消失し、就労可能となった。薬剤感受性を示したレボフロキサシンの内服を3ヵ月継続し、CRPは陰性化した。術後10ヵ月経過し、再発はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008