発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008149282
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28歳男。交通事故により左大腿骨頸部内側骨折、左大腿骨骨幹部開放性粉砕骨折を受傷した。頸部はcompression hip screwによる骨接合を、骨幹部はプレート固定を施行されたが、偽関節と骨頭壊死を生じメチシリン耐性黄色ブドウ球菌による感染が遷延した。受傷後16ヵ月にて疼痛の増強・骨頭の透亮像・関節裂隙の狭小化が進行し、血管造影で骨頭の栄養血管が途絶していたため、左側遊離血管柄付き腓骨移植による再建を施行し、大腿前面にて外側大腿回旋動脈下行枝と腓骨の栄養血管を吻合した。術後3週間の超音波ドプラ法にて吻合血管の血流を聴取でき、移植腓骨は完全に生着した。経過中骨頭外側の骨融解像が出現したが、術後18ヵ月で頸部は骨癒合して骨融解像の進行も認めず、一本杖歩行が可能となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008