発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013162435
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症例は58歳男性で、2009年9月自宅で転倒し、近医にて左大腿骨頸部骨折と診断のもとHanssonピンによる骨接合術を受けた。2010年1月に左大腿骨頭壊死症を発症し、セメントレス人工骨頭挿入術を行われたが、術中に大腿骨骨幹部斜骨骨折を生じ、鋼線を用いた骨接合術が追加施行された。今回、術後9ヵ月の単純X線で大腿骨骨幹部骨折後偽関節を指摘され、当科紹介となった。術前の単純X線所見より、Vancouver分類type B1の大腿骨ステム周辺骨折後の偽関節と診断し、ロングステム使用による人工股関節再置換術+同種骨移植術を行った。術後1年の現在、歩行時の大腿部痛はなく、杖なしで歩行は安定し、JOAスコアは54点から89点へ改善した。また、X線では大腿骨外側凸変形の進行を認めるものの、bone plate両端のround off化と仮骨形成がみられた。本症例の偽関節発生要因は、ロッキングプレートが大転子まで当っておらず、大転子部でのスクリュー固定がなかったことが要因と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2013