発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006302234
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60歳女.左脛骨近位部開放脱臼骨折にて病巣郭清術とプレートでの骨接合術を施行し,受傷後2日目に創部より膿の流出を認めた.X線像で左下腿の筋層内に羽毛状ガス陰影を認め,ガス壊疽の診断で郭清術を施行した.前脛骨筋,伸筋群などの下腿前方コンパートメントの筋は全て壊死に陥っていたため,骨膜も含めて切除した.その後,抗生物質を投与しガス壊疽は鎮静化したが,左下腿前外側面の軟部組織欠損,脛骨前外側面,腓骨前外側面の露出,脛骨骨皮質の一部壊死,骨間膜の壊死を生じた.二期的に手術を行い,病巣郭清術・腐骨除去術施行後,下腿前外側を遊離広背菌皮弁で被覆した.術後2年1ヵ月に腔骨近位部の骨髄炎を再発し,郭清術及び抗生物質入りハイドロキシアパタイト補填術を施行した.又,左足関節の尖足拘縮による歩行障害が増強し,術後4年5ヵ月に左後脛骨筋腱移行術と左足関節授動術を施行した.その後,左外傷性変形性膝関節症に伴う動作時痛及び膝関節動揺性を認め歩行困難を訴えたため,骨髄炎再発術後5年5ヵ月にTKAを施行した.術後9ヵ月経過するが,安定した歩行が得られている
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