発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008146478
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84歳女性。患者は右膝関節痛と関節水腫で関節内注射を受けていたが、右膝関節痛が増強、徐々に過伸展を来して膝装具を装着するも効果なく、著者らの施設へ紹介となった。所見では膝関節可動域(ROM)は過伸展40°、屈曲145°、ストレステストで前方および内反動揺性を認め、X線では骨棘形成、内側関節裂隙の狭小化など中等度の変形性膝関節症(OA)性変化を認めた。MRIでは前十字靱帯(ACL)は線維がはっきりせず、外側側副靱帯(LCL)は腓骨付着部での断裂が疑われ、後十字靱帯(PCL)は連続性はあるが、一部線維が不鮮明であった。しかし、関節鏡ではACLの損傷と一部線維の残存を認め、PCLはやや弛みはあるが十分なボリュームが保たれていた。ACL・LCL機能不全ならびに膝OAと診断し、鏡視下に靱帯再建術を行った結果、術後は2日目より持続的他動運動を行い、6週で装具装着による一本杖歩行が可能となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008