カラーフォーラム
左中指指尖部損傷に対する母指球皮弁と閉鎖療法との併用治療の1例
新行内 義博
1
,
小泉 憲之
,
上村 民子
,
北 秀行
1所沢中央病院 整形外科
キーワード:
関節可動域
,
外科的皮膚弁
,
手指外傷
,
治療的洗浄
,
掻爬術
,
皮膚疾患
,
集学的治療
,
Trafermin
,
創傷被覆材
Keyword:
Combined Modality Therapy
,
Curettage
,
Finger Injuries
,
Therapeutic Irrigation
,
Surgical Flaps
,
Skin Diseases
,
Range of Motion, Articular
,
Trafermin
pp.350-351
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015218968
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- 文献概要
37歳男。トラックの荷台に左中指を挟み受傷し、受傷後ただちに当科を受診した。初診時、左中指の末節部掌側は皮膚、皮下組織が欠損し、創洗浄すると末節骨遠位掌側が約1cm露出していた。左中指指尖部損傷と診断し、骨露出部以外をメピレックスで被覆した後、骨露出部を母指球皮弁で被覆した。皮弁挙上後の皮膚欠損部(ドナー部)は、メピレックスで被覆した。術後17日目に皮弁を切離し、指先端と骨は皮弁と肉芽で被覆されていたが、中指指腹部は長さ約1.5cm、幅約1cmの欠損が残存したため、同部をメピレックスで被覆し、閉鎖療法を行った。指尖部損傷の一部は不良肉芽を形成したため、術後7週に肉芽を掻爬し、術後3ヵ月で上皮化が得られた。術後半年の現在、ROMはほぼ正常で、指尖部、ドナー部ともに整容的にも満足いく結果であった。
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