超音波診断・治療の最前線 下肢の超音波診断
人工膝関節全置換術後の側方動揺性評価
久保田 雅史
1
,
成瀬 廣亮
,
松尾 英明
,
嶋田 誠一郎
,
宮崎 剛
,
小久保 安朗
,
内田 研造
1福井大学 リハビリテーション部
キーワード:
関節不安定症
,
膝関節
,
術後合併症
,
超音波診断
,
観察者による差
,
結果再現性
,
治療成績
,
膝関節置換術
,
変形性膝関節症
,
筋力
,
大腿四頭筋
,
ストレスX線撮影
Keyword:
Joint Instability
,
Knee Joint
,
Postoperative Complications
,
Ultrasonography
,
Reproducibility of Results
,
Observer Variation
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
,
Osteoarthritis, Knee
,
Muscle Strength
,
Quadriceps Muscle
pp.802-807
発行日 2015年7月20日
Published Date 2015/7/20
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015339871
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初回片側人工膝関節全置換術を行った内側型変形性膝関節症を対象に、超音波画像を用いて膝関節の側方動揺性を評価し、再現性およびストレスX線像との関連性、ならびに術前後の側方動揺性の変化や臨床所見との関連性を検証した。超音波画像を用いた側方動揺性の級内相関係数は内・外側ともに0.8以上と良好な再現性を認め、超音波画像とストレスX線像は有意に高い正の相関関係を示した。また、術前は内側動揺性が有意に大きいが、術後は外側動揺性が増大、かつ内側動揺性が低下して内・外側のアンバランスが改善した。さらに、側方動揺性が小さい群では屈曲拘縮が残存する傾向にあり、大きい群の大腿四頭筋筋力は有意に大きかった。簡便、低侵襲かつリアルタイムに評価できる超音波画像を用いた膝関節側方動揺性の評価は、ストレスX線像と同程度に内・外側それぞれの動揺性を把握できる有用な方法であると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2015