発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008091695
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症例は90歳女性で、縁石に躓いて転倒し、歩行不能となった。右膝関節は屈曲:40°でロッキングし、自動運動不能であった。また、右膝関節前面に陥凹を認め、右膝関節下方が骨性に膨隆し、軽度腫脹していた。右膝関節単純X線正面像では、膝蓋骨は下方に転位し、顆間窩中央から大腿骨外側顆にかけて骨折線を認めた。側面像では、下方に転位した膝蓋骨の上極が顆間窩に嵌入し、大腿骨顆部の骨折線の遠位端と一致していた。膝蓋骨下方脱臼、及び大腿骨顆部骨折と診断した。下方脱臼した膝蓋骨を整復し、受傷後13日目に観血的骨接合術を行った。術中、遊離した骨棘の摘出と残存した骨棘の切除を行った。術後経過は良好で、脱臼の再発はなく、術後1年3ヵ月を経て右膝関節可動域は伸展:0°、屈曲:120°で、骨癒合が得られている。
©Nankodo Co., Ltd., 2008