臨床室
膝蓋骨脱臼に大腿骨外側顆荷重面の骨軟骨骨折を合併した2例
根本 まりこ
1
,
立花 陽明
,
坂口 勝信
,
織田 弘美
1埼玉医科大学 整形外科
キーワード:
MRI
,
膝外傷
,
大腿骨骨折
,
X線CT
,
三次元イメージング
,
膝蓋骨脱臼
,
軟骨骨折
Keyword:
Femoral Fractures
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Knee Injuries
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Imaging, Three-Dimensional
,
Patellar Dislocation
,
Fractures, Cartilage
pp.940-943
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014369926
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症例1は32歳男で、サッカー中に右膝を外反強制し疼痛と脱臼感を生じた。MRIのT2強調冠状断像で外側顆荷重部に骨軟骨欠損を認め、矢状断像で欠損部は伸展荷重面のやや後方であった。横断像で内側膝蓋大腿靱帯(MPFL)の断裂と転位した骨軟骨片を認めた。標記の診断で転位した骨軟骨片を整復し、Herbert-Whippleスクリューと自家骨軟骨柱で固定した。症例2は36歳女で、転倒時に左膝を屈曲・外反強制した。三次元CTで大腿骨外側顆のcoronal fractureと顆間に転位した骨軟骨片を認めた。MRIのT2冠状断像で大腿骨外側顆辺縁から荷重部にかけて骨軟骨欠損像と内側側副靱帯の大腿骨付着部から近位に出血を認め、矢状断像で後顆に骨軟骨欠損像を認めた。手術により骨軟骨片を大腿骨外側顆に整復し、Herbert-Whippleスクリューと吸収性ピンで固定した。症例2は8週経過後に授動術を要したが、両症例とも一期的にMPFL再建を行い良好な成績が得られた。
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