発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008030690
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
67歳男。頸部痛が現れC3転移性骨腫瘍が疑われた。上下肢不全麻痺が生じ歩行不能となった。前立腺生検で前立腺癌頸椎転移と診断され手術した。右上下肢・左上肢筋力低下を認め徒手筋力テストで右上肢3、右下肢4、左上肢4、両前腕以下と両胸部腋窩レベル以下の知覚鈍麻、軽度膀胱直腸障害がみられバビンスキー反射・ホフマン反射陽性で脊髄症を呈した。単純X線・CTではC3椎体~椎弓骨溶解像を認め後彎変形を生じMRIでは椎体が病的骨折を生じ脊髄を圧迫していた。C3椎弓切除術と後頭骨~C6のRansford loopと腸骨骨移植を用いた後方除圧固定術を行い腫瘍部分は易出血性で止血困難であった。術後13時間で四肢不全麻痺が出現し脊髄が変形しているため再手術した。術後1.5ヵ月で起立可能、3ヵ月で麻痺は改善、杖歩行で退院、術後5年、骨癒合は良好で骨転移があるが日常生活上は自立している。
©Nankodo Co., Ltd., 2007