発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007261005
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
最小侵襲人工膝関節全置換術(MIS-TKA)とstandard TKAを対象として、体動の加速度を測定する加速度センサー(ACT)を用いて体動の累積加速度を測定し、術後回復・改善状況を評価・検討した。対象は、同一術者が行ったMIS-TKA10例(男性4例、女性6例・平均68.4歳)とstandard TKA10例(男性2例、女性8例・平均69.8歳)で、ACTを用いて術前後の身体活動性を評価した。手術時間はstandard TKA群で、手術創の長さはMIS-TKA群で有意に短く、総出血量は両群間に有意差はなかった。術後に下肢伸展挙上、一本杖歩行、膝屈曲90°が可能となる日数はMIS-TKA群で有意に早かった。ACTによる測定結果では、術後1~5、10、11日目の身体活動量がMIS-TKA群で有意に改善し、MIS-TKA群では術後5日目で術前比100%以上に回復したが、standard TKA群では術後14日経過でも術前比97.7%であった。また、術前比80%の回復に要した日数(recovery time)はMIS-TKA群3.0日、standard TKA群7.0日と有意差を認めた。MIS-TKAは客観的かつ定量的に低侵襲であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007