発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007184471
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転位した腰椎椎間板ヘルニア摘出に対する腰部脊柱管拡大術の適応と臨床成績について検討した。対象は1988~2000年に本術式を応用した10例であり、全例男性であった。手術時平均年齢は41.7歳、平均追跡期間は3年1ヵ月であった。ヘルニアの転位は母髄核に対して上方へ移動しているもの3例、下方へ移動しているもの7例であった。拡大範囲は1椎弓4例、2椎弓3例、3椎弓1例、4椎弓2例であった。その結果、日整会腰痛疾患治療成績判定基準の改善率は術後3ヵ月67.5%、最終追跡時85.4%であり、特に問題となる合併症はなかった。単純X線像上すべり率の変化は認めなかったが、椎間板腔の高さは術前より平均14.6%減少した。本術式の適応は上方へ転位している場合、L2-L3レベルの場合、脊柱管狭窄を合併する場合に有用であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007