発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007149737
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67歳男性。患者は大腿骨遠位部悪性骨腫瘍に対する腫瘍広範切除、およびKLS system腫瘍用人工膝関節置換術後の、その4ヵ月目に左膝関節伸展障害が出現し、著者らの施設へ再受診となった。再診時、所見では膝蓋骨および膝蓋靱帯の周囲に疼痛と圧痛を認められたが、画像所見では腫瘍の再発や人工関節の不適合、破損、弛みはみられなかった。内服治療を行なうも、症状の改善が得られず、手術的治療を行った。その結果、手術所見では膝蓋靱帯に癒着する滑膜様組織が大腿骨コンポーネントの顆間部に嵌頓し、ポリエチレンとロッキングしており、これを切除すると完全伸展が可能となった。そのため、周囲の滑膜切除を可及的に行い、術後3日より膝関節の自動および他動運動を開始した。更に術後5日で立位歩行練習をはじめ、術後1週間で以前の可動域(伸展0度、屈曲90度)が獲得された。以後、術後2週間で杖歩行にて退院となり、目下、術後2ヵ月経過現在、伸展制限の再燃はみられていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2007