発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007149734
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Gamma nailシステムを用いて治療を行った大腿骨転子部骨折39例(男性15例、女性24例、手術時年齢56~97歳)を対象に、術中骨片間にコンプレッションをかけ、その効果について検討した。1)術後より平均7ヵ月にわたり経過観察した結果、全例において骨癒合が獲得された。2)コンプレッションによる骨片移動量は平均4.3mmで、スライディング量は安定型で平均4.3mm、不安定型で平均7.0mmであった。3)安定型に比べ不安定型でスライディング量が大きかったが、カットアウトした例はなかった。しかし、1例で11mmのスライディングによる突出痛のため、抜去に至った。4)歩行能力はN-ADLで受傷前8.54点から術後7.67点、実用歩行可能となった症例は受傷前35例から術後29例と、いずれも術後低下したが有意差はみられなかった。5)術後のX線所見では、スクリューの骨頭内位置とスライディング量に関して有意差はみられなかった。以上、これらのことからも、術中にコンプレッションをかけることは、内固定力・安定性を増強し、スライディング量の軽減・予防につながると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007