発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007117991
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症例(81歳男性)。患者は大腿骨頸部骨折に対するスクリューおよびプレートを用いた固定術後4ヵ月目に右股関節痛が出現した。単純X線にてスクリュー内筒の4mm伸長による関節内穿破を認め、スクリュー筒引き戻しを行ったが、2ヵ月後に再度穿破と疼痛の増悪がみられた。前回と比較してX線像では骨形態に変化はなく、スクリュー内筒は16mm伸展がみられ、引き戻し時には容易に伸長が起らず、回転時の抵抗もあった。そこで、伸縮構造が短縮する限度までスクリュー内筒を引き戻し、荷重とX線検査をすすめ、著変なく転院となった。現在まで症状およびX線像での変化はなく良好に経過している。尚、本症例ではエースキャップチャードヒップスクリューシステムを用いたが、術後のX線計測では頸体角に大きな変化はなく、スクリュー周囲の骨破壊像もなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007