発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007117989
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74歳女性。患者は右手関節痛および腫瘤を主訴とした。初診時、右手関節掌側に4×2cm大のびまん性腫瘤を認め、示指には軽度の屈曲制限がみられた。電気生理学的検査では手関節で正中神経運動・知覚神経伝導速度の延長がみられたものの、臨床検査では異常所見は認めなかった。しかし、MRIでは前腕部遠位の屈筋腱周囲にT1にて低信号、T2にて不均一な高信号を呈し、造影後、不均一に病変が描出された。以上、これらの所見より、本症例は手関節部の軟部腫瘤による正中神経障害と診断され、腫瘤切除術が施行された。その結果、病理組織学的には軟部腫瘤は滑膜発生のサルコイドーシスであった。術後1年経過現在、軽度の手指拘縮を残すも疼痛や知覚障害はなく、局所再発もみられていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2007