臨床室
両側上腕に対称性腫瘤を生じたサルコイドーシスの1例
福島 俊
1
,
野村 裕
,
中野 壮一郎
,
田中 孝幸
,
有馬 準一
1九州大学 整形外科
キーワード:
MRI
,
腫瘤
,
X線CT
,
免疫組織化学
,
サルコイドーシス
,
上腕
,
陽電子放射型断層撮影
Keyword:
Arm
,
Immunohistochemistry
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Sarcoidosis
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Positron-Emission Tomography
pp.34-37
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014169992
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症例は66歳女性で、両側上腕の無痛性腫瘤を主訴に、精査加療目的で当科紹介となった。胸部CTでは両側肺門部に腫瘤性病変を認め、PETでは両肺門部と縦隔リンパ節、両側腋窩リンパ節、両側上腕に異常集積像を認めた。MRIでは、両側上腕にT1強調画像で等信号、T2強調画像でやや高信号、T1強調Gd造影像でやや高信号な病変を認め、同部の冠状断像ではthree stripes signを認めた。生検の結果、サルコイドーシスと診断したが、両上腕部腫瘤以外の自覚症状はなく、合併症もみられなかったことから、未治療で経過観察とした。初診1年後のガリウムシンチグラムでは両側上腕および肺門部に異常集積はみられず、胸部CT上も肺門部腫瘤は縮小しており、自然消失したと考えられた。
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