発行日 2001年5月1日
Published Date 2001/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001253176
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症例は82歳男で,胸痛が出現した為,心臓カテーテル検査を上腕動脈より施行した.直後右肘カテーテル刺入部を中心に前腕部の腫脹,肘以遠のしびれが出現し1ヵ月後より徐々に増大した.初診時肘関節上腕遠位1/3を中心に約15cm大の腫瘤がみられた.カラードプラでは腫脹の近位1/2は血腫化し,遠位部分では最大4cmの乱流を含んだ空間がみられた.血管造影では,上腕動脈より腫瘤内へのジェットがみられ偽性動脈瘤が確認された.手術は上腕動脈の近位部を露出クランプし,偽性動脈瘤の直上を切開した.偽性動脈瘤内血腫は170gあり,上腕動脈に開いていた2mmの穴を縫合閉鎖した.摘出動脈瘤壁は全体に薄く,弾性線維はみられず偽性動脈瘤壁であった.術翌日より,しびれ,疼痛は改善がみられ,術後2週間で筋力は回復した
©Nankodo Co., Ltd., 2001