発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007095246
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関節切開による膝半月板全切除を行い20年以上経過した13例17膝の臨床成績およびX線変化について検討した。切除した半月板の形状は半月型が6例6膝で、うち内側半月板が4例4膝(MM群)、外側半月板が2例2膝(LM群)、円板状半月板(D群)が7例11膝で、全例外側であった。各群の平均JOAスコアはMM群93.5点、LM群98.8点、D群95.0点であった。関節ROMはMM群の2膝、D群の3膝にROM制限を認め、LM群では認めなかった。関節動揺性はMM群の1例両膝で前方動揺性を認めたのみで、他群での前方動揺性、全例での内外反動揺性は認めなかった。McMurrayテストではMM群は2膝でクリックを認め、LM群は2膝でクリック、1膝で疼痛を認めた。D群では2膝でクリック、1膝で疼痛を認めた。関節裂隙圧痛はMM群の1膝で内側に圧痛を、LM群の1膝で内外側圧痛を認め、D群では圧痛を認めなかった。腫脹は全群で認めず、大体周囲径は両側手術例を除いた9膝中6膝で健側と比較して1~4cmの筋萎縮を認めた。12年前に行なった調査所見と今回の調査所見でOA変化を比較したところ、MM群では今回調査にて全例で患側にOA変化を認め、前回との比較でははOA変化が進行していた。LM群は今回調査で2例とも患側にOA変化を認め、経時的な変化はなかった。D群では6例でOA変化を認め、経時的なOA変化はなかった。手術側の今回調査時FTAは、MM群で内反、LM群で外反、D群で外反を示していた。
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