臨床室
人工股関節全置換術後に肥大化した遺残骨片がインピンジメントを生じ早期にインプラントの弛みをきたした1例
山口 玲
1
,
安藤 毅
1稲波脊椎・関節病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
関節鼠
,
股関節
,
再手術
,
X線CT
,
変形性股関節症
,
人工器官機能不全
,
股関節置換術
,
体内埋込み具の除去
Keyword:
Joint Loose Bodies
,
Hip Joint
,
Reoperation
,
Radiography
,
Prosthesis Failure
,
Osteoarthritis, Hip
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Range of Motion, Articular
,
Device Removal
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
pp.131-134
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016165683
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72歳女。40歳時に他院にて左股関節に発症した滑膜性軟骨腫症に対して複数回の関節内遊離体除去術を受けていた。今回、左股関節痛を主訴に、近医にて左変形性股関節症として経過観察されたが、症状が増悪したため、手術目的に当科紹介となった。臨床経過および画像所見より、関節内遊離体除去術後の二次性変形性股関節症と診断し、人工股関節全置換術を施行した。術後は左股関節痛が消失し、術後5週で退院となったが、半年後より左股関節痛の再燃を認めた。再診時所見および画像所見から、臼蓋側インプラントの弛みと遺残骨片のインピンジメントに伴う疼痛および可動域制限と診断し、再置換術を行った。再置換術後6週で軽快退院し、退院時可動域は屈曲90°、外転30°が得られ、歩行時の疼痛も消失した。術後5年の現在、経過良好である。
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