発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006304465
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47歳女.2年前に両手のこわばりで関節リウマチと診断され,その後両手に皮疹が出現し,生検により多中心性細網組織球症(MR)と診断されていた.今回,誘因なく左股関節痛が出現し,両手X線で遠位指節間関節に著明な骨破壊像を,股関節X線では両側大腿骨頸部の上外側部に骨吸収像を,左大腿骨頸部内側に骨折線を認めた.MRIでは両側大腿骨頸部の上外側にT1強調像で低信号,T2強調像で高信号と低信号が混在する領域を認め,造影効果を示した.MRに合併した左大腿骨頸部病的骨折と診断し,左人工股関節全置換術を行った.手術はCharnley原法に準じて行い,股臼側はWroblewski golfball cupを,大腿骨側はC-stemを使用した.術中採取した股関節の滑膜の病理像で,弱拡大で絨毛状の増殖と血管の増生を認め,強拡大では単核ないし多核の巨細胞の浸潤を認めた.大腿骨頭の骨・軟骨部の病理像では,骨組織に腫瘍細胞が浸潤した像を認めた.術後1年のX線像では明らかな異常はなく,JOAスコアは91点であった
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