発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006304464
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症例1:33歳男.バイク運転中ガードレールに衝突し受傷した.左肩関節は外転位をとり,上肢の下降および肩関節の自動運動は不可能であった.X線で左上腕骨頭の肩甲関節窩下方への脱臼を認め,無麻酔では整復不能であったため,静脈麻酔下に徒手整復を行った.ゼロポジション方向に牽引を加え,対抗牽引をかけながら脱臼肢位のまま徐々に内転させていくことで整復が得られた.3週間のDesault包帯固定を行い,5ヵ月経過して日常生活に支障はない.症例2:48歳男.飲酒後倒れているところを発見された.右肩関節は外転位をとり,上肢の下降および肩関節の運動は不可能であった.X線で右上腕骨頭大結節の骨折と上腕骨頭の肩甲関節窩下方への脱臼を認め,静脈麻酔下に徒手整復を行った.ゼロポジション方向に牽引しつつ上腕骨頭を押し込むことで容易に整復できた.大結節骨折の転位は軽度であったため経過観察とした.3ヵ月経過時点でやや可動域制限を認めたが,日常生活に支障はない
©Nankodo Co., Ltd., 2006