発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006302231
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60歳女.右示指・環指を屈伸する際にひっかかり感があった.示指・環指に,屈曲・伸展に伴う弾発現象を認め,示指・環指とも基節部掌側から近位指節間皮線にかけて皮下に弾性軟の腫瘤を触知した.手指の屈曲・伸展時にPIP関節掌側にふれる腫瘤が深指屈筋腱と共に移動した.示指PIP関節掌側を中心としてジグザグ切開にてアプローチしC1,A3プーリーを切離すると,深指屈筋腱上に灰白色の結節性の腫瘤を認め,示指を屈曲させると膿瘤は屈筋膿と共に移動し,浅指屈筋腱との腱交叉部でひっかかり弾発現象が起こした.屈筋腱の滑膜性腱鞘を含めて腫瘤を切除し,示指の弾発現象は消失した.環指も同様に結節性の腫瘤を認め,示指と同様に腫瘤を切除し,弾発現象は消失した.病理診断所見より腱鞘線維腫と診断した.術後6ヵ月経過し,腫瘤の再発はなく,手指のROMは正常で弾発現象もない
©Nankodo Co., Ltd., 2006