発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006004686
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成人弾発指135例149指を対象に,鏡視下腱鞘切開手術を施行した.弾発現象は術後全例で消失し,関節ROM(伸展不足角)は,stage 3,4であった85指は術後有意に改善したが,角度の改善に関してstage 3(32指)とstage 4(53指)に有意差はなかった.本手技を導入した初期に3例3指のいずれも母指stage 4で橈側に一過性に知覚障害が生じたが,全例3ヵ月以内に軽快した.神経・血管損傷,腱の断裂など重篤な合併症はなかった.再手術は4例4指あり,いずれも母指stage 4であった.初回手術により弾発現象は消失したが愁訴として違和感が残ったため,直視下に屈筋腱に付着した増生滑膜や肥厚した腱鞘を切除した.術中鏡視下から直視下へ変更したのは4例4指で,良好な視野が得られなかったのが2指(母指1,中指1),A1 pulley切開後も弾発現象が消失しなかったのが2指(母指1,中指1)であった.後者は直視下手術を施行し,A2 pulleyの近位部を切開し,弾発現象が消失した
©Nankodo Co., Ltd., 2005