超音波診断・治療の最前線 超音波ガイド下インターベンション
弾発指に対する超音波ガイド下腱鞘内注射
四宮 陸雄
1
,
砂川 融
1広島大学 大学院整形外科
キーワード:
Mepivacaine
,
Triamcinolone
,
拘縮
,
手指関節
,
病巣内投与
,
インターベンショナル超音波診断
,
治療成績
,
腱鞘
,
ばね指
,
指屈筋
Keyword:
Contracture
,
Finger Joint
,
Mepivacaine
,
Triamcinolone
,
Injections, Intralesional
,
Treatment Outcome
,
Ultrasonography, Interventional
,
Trigger Finger Disorder
pp.896-899
発行日 2015年7月20日
Published Date 2015/7/20
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015339886
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超音波ガイド下腱鞘内ステロイド注射を行った弾発指36例43指(男21例、女15例、注射時平均年齢65.4歳)の臨床成績を検討した。疼痛は41指、弾発現象は27指、10°以上の近位指節間(PIP)関節屈曲拘縮は21指に認めたが、超音波ガイド下腱鞘内注射法(平行法)によって注射後1ヵ月には疼痛は85.3%、弾発現象は55.6%、PIP関節屈曲拘縮は66.7%で消失し、これら三つの症状がすべて消失したのは46.5%であった。ステロイド注射による合併症は認めず、超音波画像で計測されたA1 pulleyと屈筋腱の厚みは有意に減少しており、その除圧効果が疼痛消失に影響したと考えられた。しかし、弾発現象やPIP関節屈曲拘縮は約半数近くで残存しており、A1 pulleyや屈筋腱の質的な変化が治療抵抗性に関与している可能性が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2015