発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010089974
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12歳女。右環指の弾発現象および伸展障害を主訴とした。11歳時にHenoch-Schoenlein紫斑病のため入院の既往があった。右環指近位指節間に伸展制限があり、中手指節(MP)関節掌側に圧痛を伴う腫瘤を触知した。X線では右環指MP関節掌側の軟部組織内に楕円形の石灰陰影を認めた。右環指屈筋腱に生じた石灰性腱炎と診断して手術を施行し、A1プーリーの近位の屈筋腱鞘下に5×4mmの白色腫瘤を認めた。腫瘤はA1プーリーの近位で引っかかり、環指の伸展の妨げとなっていた。腫瘤を摘出し、環指の伸展障害は解除され完全伸展が可能となった。しかし、念のためにA1プーリーは近位1/2を切除した。術後2ヵ月の時点で環指の可動域は良好で、再発はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009