発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006225117
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65歳女.原付自転車で走行中に転倒し,X線で右肘関節脱臼と橈骨頭骨折を指摘された.徒手整復されたが容易に再脱臼し,ギプス固定の上,手術目的で当科紹介となった.受傷6日目にギプスカットを行い,ストレスX線像では内反ストレスで腕橈関節裂隙が開大し,強い不安定性を認めたため,外側側副靱帯を含めた外側支持機構が破綻していると予想した.橈骨頭および上腕骨外上顆を展開したところ,外側側副靱帯は回外筋・伸筋群の起始部と一塊となり,上腕骨外上顆から剥離していた.また,橈骨頭は全体の1/3は頸部と連続性が保たれていたが,残りは粉砕の程度が強く,骨接合は困難であったため摘出した.次に,上腕骨外上顆の外側側副靱帯付着部に骨孔を形成し,非吸収糸を用いて外側側副靱帯を伸筋群と共に上腕骨外上顆に縫着した.ギプス固定を2週間行った後,フレーム付き装具を使用して自動運動訓練を行った.術後1年経過し,可動域制限は残存しているが疼痛はなく,日常生活動作上の不自由はない
©Nankodo Co., Ltd., 2006