発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006153662
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81歳男.1985年3月,右変形性膝関節症に対し片側型人工膝関節全置換術(UKA)を行った.2003年10月初旬より右膝関節の腫脹が現れ,同部に瘻孔も生じたため,同月下旬に受診した.瘻孔より赤錆色の排液が認められた.発赤,熱感は認めなかった.単純X線像では頸骨コンポーネントのsinkingが認められ,外側関節列隙は消失し,大腿骨外顆と頸骨外顆の骨摩耗があり外反変形を呈していた.また,関節造影像では,瘻孔より造影剤の漏出があり,膝蓋上嚢には腫瘤を認めた.人工関節置換術後の感染を疑い,確定診断のため2003年11月に病巣掻爬を行った.関節内には不良肉芽が認められたため切除した.人工関節を抜去し,骨髄内の病的肉芽を切除すると大腿骨内顆に著明な骨欠陥が生じた.骨欠陥部には,骨セメントをスペーサーとして留置した.術後2週で創部は治癒し,局所の腫脹も軽減した.2004年10月時点で炎症の再燃はなく,X線像でも活動性の病巣を示す所見はみられなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2006