発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004148692
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78歳女.左大腿骨頸部骨折にて大腿骨人工骨頭挿入術が施行された約6ヵ月後,左股関節腫脹,手術創部に瘻孔が形成された.患部を穿刺して得られた採取液の培養検査では,Candida parapsilosisが検出された.X線像ではGruenゾーン1と7において,骨-セメント間に透亮像を認めた.瘻孔造影後CTでは,造影剤が近位大腿骨の外側から後方にかけて認められ,骨シンチグラフィーでは挿入物周囲にび漫性に集積像を認めた.人骨骨頭を骨セメントと共に抜去し,周囲軟部組織をデブリドマンした.術後,抗真菌薬の持続投与を行い,患部の腫脹,排膿なく経過したが,術後17ヵ月にて再び患部の腫脹が出現した.腫脹部より黄色透明な液が採取され,培養検査にてCandida parapsilosisが検出された.骨癒合を認めたため全ての金属を抜去し,抗真菌薬の持続洗浄と全身投与を行った.術後3年の現在,患部に疼痛,腫脹,排膿を認めない
©Nankodo Co., Ltd., 2004