発行日 2004年7月20日
Published Date 2004/7/20
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004274700
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人工膝関節全置換術(TKA)758例1295関節(男110例,女648例)のうち,術後感染は8例8関節(男1例・女7例,平均67.5歳)であった.感染発生率は0.62%で,疾患別では関節リウマチ410関節中5関節,変形性関節症876関節中3関節の発生であった.感染例の危険因子をみると,滑膜切除術などのTKA以外の多数回手術が3例,頻回の関節内注射が2例,他臓器からの感染が2例,皮膚疾患が1例で,全例危険因子が存在していた.感染発症時期はTKA施行後4ヵ月~3年6ヵ月で,起炎菌はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌4例,Staphylococcus aureus 1例,Escherichia coli 1例,同定不能2例であった.治療は関節固定術が3例,二期的再置換術が3例,病巣掻爬・持続洗浄で関節温存が2例であった.二期的再置換術はまず人工関節を抜去し,抗菌薬を混入したセメントビーズを充填して炎症鎮静化を図った.全例7週でCRPは陰性化し,再置換術を施行した.感染の再燃はない
©Nankodo Co., Ltd., 2004