発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009150016
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69歳男。胸部不快感、全身倦怠感を自覚し、次第に増悪した。頭部MRI、心電図により脳梗塞および急性前壁中隔心筋梗塞と診断され、紹介入院した。経胸壁心エコーでは異常を確認できなかったが、その後急速に心不全が悪化し、発症29日後には乏尿となった。集中治療室へ移送して透析を施行した。心雑音の明らかな増大を認め、心エコーを再検し、心室中隔穿孔と診断した。意識レベルがさらに悪化したため、緊急手術を行った。意識回復が悪く、CTで脳梗塞再発と診断した。術前の痰培養でMRSA、また静脈血培養でCandidaを認めていたことが術後に判明し、teicoplaninとmicafunginを使用した。術後6日目に創部が離開して膿汁が流出した。保存的治療では難治化すると考え、大網充填術を行った。術後100日目にリハビリテーション病院へ転院し、その約1ヵ月後には自宅退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009