発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006091339
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人工股関節全置換術(THA)後,Harris-Galante porous I・IIカップ(HGPカップ)のロッキングメカニズムの破損を6例(男性4名,女性2名)に認め,その原因と対策について検討した.原疾患の内訳は変形性股関節症5例,大腿骨頭壊死症1例で,初回THAの平均年齢は56歳であった.破損までの期間は平均11年8ヵ月で,骨・軟部インピンジメントによる後方への脱臼傾向2例,ネックカップインピンジメントによる後方への脱臼傾向2例,ライナーの脱転により骨頭とカップの接触によるメタローシスを生じた例1例であった.経過中,脱臼1例を認め,3例が亜脱臼感を自覚していた.全例で和式トイレ使用を認め,4例は畑仕事を継続し,2例は毎日長距離の自転車の運転をしていた.以上より,ロッキングメカニズムの破損は,股関節を深屈曲する和式トイレ使用等により,骨・軟部インピンジメントによる亜脱臼が一因であると考えられ,対策としてTHA後の生活指導および慎重な経過観察が必要である
©Nankodo Co., Ltd., 2005