発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005140048
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58歳男.右股関節痛を主訴とした.1984年,慢性腎不全にて血液透析を開始し,腎移植術後はステロイドと免疫抑制薬が投与された.1989年6月より大腿骨頭壊死症による右股関節痛に対し保存的治療を受けていたが,大腿骨頭の圧潰と疼痛の増強を認めたため,1991年10月セメント固定による人工骨頭置換術(BHA)を施行した.術後5年目に右大腿部痛とステムの弛みを認めたため,Huckstep hip systemによる再置換術を行い良好に経過していたが,再手術後3年目に近位固定を得られないままステムの沈下が生じ,遠位部スクリューの折損をきたした.ステムの沈下と遠位部スクリューの折損の発生誘因は慢性腎不全による骨Ca代謝異常,長期透析に伴うアミロイド沈着,ステロイド長期投与に伴う骨粗鬆症および術後の荷重歩行といった患者側の要因,システムの構造上の要因などが考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005