発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005190827
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整形外科分野における高齢者大腿骨頸部骨折126例を対象に,手術の総合危険度評価(E-PASS)の有用性を検討した.Gamma-nailを43例,compression hip screw(CHS)を33例,人工骨頭置換術を50例に行い,Gamma-nail,CHSの骨接合術群,人工骨頭置換術群の2群に分け検討した.入院医療費は,E-PASSの手術侵襲スコアおよび総合リスクスコアとの間に有意な相関関係を認めた.また,人工骨頭置換術群の医療費は骨接合術群より高額で,2群間に有意差がみられた.術後合併症は18例(14%)にみられ,術前リスクスコアの増加に伴って発生頻度は上昇傾向にあり,特に,骨接合術群例では有意な相関関係を認めた.大腿骨頸部骨折症例へのE-PASSの適応は,治療方針を決定する上で有用な判断基準となり得ることが示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2005