発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013162442
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当科で人工股関節全置換術を行った関節リウマチ(RA)38関節の股関節形態と滑膜病理組織所見について検討した。その結果、病理組織診断では24関節(63%)がRAと判定された一方、14関節(37%)はRAに典型的な病理組織所見と判定されなかった。股関節形態別では、病理組織診断でRAと判定したものが関節裂隙狭小型で77.8%(14/18関節)、上方偏位型で33.3%(4/12関節)、臼底突出型で75.0%(6/8関節)であった。RA股における骨頭の上外方偏位は臼蓋形成不全との関与が示唆された。骨破壊の程度が強い上方偏位型や臼底突出型でもRAの組織像が得られなかった例もあり、骨破壊の程度よりも評価時におけるRAの活動性の方が、RAを特徴づける病理組織所見に影響することが示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2013