発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005154768
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症例1は59歳男性で,作業中に上腕骨と前腕両骨の開放骨折を受傷,受傷当日デブリドマン,プレートによる内固定を施行し,術後肘関節自動屈曲不能となり,筋電図にて上腕二頭筋の脱神経が確認された.受傷後2ヵ月時,上腕筋・上腕二頭筋は挫滅されており,受傷後3ヵ月に広背筋移行による肘屈曲再建術を施行した.症例2は63歳男性で,作業中上腕骨開放骨折を受傷,尺骨骨折・橈骨神経断裂を合併し,上腕筋・上腕二頭筋は挫滅されていた.受傷当日デブリドマン,創外固定を装着したが,粉砕が強く固定が得られないと判断して受傷2ヵ月時に上腕骨短縮・プレートによる内固定・腸骨移植・腓腹神経移植を施行し,受傷4ヵ月で広背筋移行による肘屈曲再建術を施行した.その結果,症例1は早期の内固定により骨癒合が得られたことで成績良好であったが,症例2は内固定までに2ヵ月を要したため成績不良となった.以上より,広範囲挫滅がある症例では適切な骨折治療など初期治療を的確に行うことが重要と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005