発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005140443
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34歳女.右上腕異物感と右肩から腕にかけての疲労感を主訴とした.骨・軟部腫瘍の診断で紹介受診し,右三角筋内に弾性軟,比較的境界明瞭な母指頭大の腫瘤を触知した.単純X線像にて右上腕骨骨幹部はスリガラス状で骨皮質の菲薄化がみられ,MRIにてT1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号を呈し,内部不均一であったが,右上腕の軟部腫瘤はT1強調画像で筋肉と同信号,T2強調画像で高信号を示した.全身検索にて右橈骨近位部と左上腕骨骨幹部にも同様の病変を認め,診断目的で軟部腫瘤摘出と右上腕骨病変の生検を行った結果,病理組織診断はそれぞれ筋肉内粘液腫,線維性骨異形成であり,これらの合併からMazabraud症候群と診断した.現在まで保存的に経過を観察しているが,粘液腫の再発や病的骨折はなく,本症候群に合併するとされる疾患や内分泌異常,カフェオレ斑はみられなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2005