発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008233811
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
7歳男児。左下腿部痛を主訴とした。単純X線で左脛骨及び腓骨の遠位骨幹部骨皮質内に偏在する、辺縁の骨硬化を伴った縦に細長い境界明瞭な多房性溶骨性病変を認めた。MRIでは同部にT1強調て低信号、T2強調で高信号、Gdで造影効果のある境界明瞭な病巣を認めた。骨線維性異形成(OFD)を疑い骨生検術を施行し、病理組織所見で紡錘形細胞からなる線維組織内に、類骨及び線維性骨が散在しており、この骨梁縁にosteoblastic rimingを認め、明らかな悪性所見なく、OFDと診断した。生検後に痛みの軽減を認めたため経過観察とし、外来経過観察中、日常生活上明らかな問題はなく、スポーツも問題なく行っていた。9歳時より単純X線で病巣の縮小傾向を認め、14歳時に病巣はほぼ消失した。一方、11歳時より約1cmの脚長差が生じ、12歳時には約2cmに増大し、14歳時で最大3cmの脚長差を呈したが、15歳時には脚長差は消失し、経過観察後約8年経った現在、日常生活において間題は認めない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008