発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005140052
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65歳男.左上腕部腫瘤を主訴とした.18年前より無治療で放置していた左上腕部腫瘤が3年前より増大傾向を示した.初診時,腫瘤は約25×20cm,弾性軟で,疼痛などの症状や肩・肘の可動域制限は認めず,X線透過性の高い軟部腫瘤陰影を認めた.また,MRIにて上腕二頭筋と上腕三等筋の筋間にT1およびT2強調画像で均一な高信号を呈する腫瘤を確認し,脂肪腫として摘出術を行った.850gの黄色い腫瘍は周辺組織と癒着のない被膜に覆われ,容易に一塊として切除が可能であり,病理組織像では成熟脂肪細胞が増生して細胞の異型性や分裂像は認められず,筋層間脂肪腫と診断した.術後2年経過現在も機能異常や再発を認めていない.自験例では手術を計画する上でMRIが有用であった
©Nankodo Co., Ltd., 2005