発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011072013
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60歳女。10年前に頸部に腫瘍を指摘され、経過観察していたが受診しなくなり、4年後に肩こり、背中と太腿の腫瘍を自覚し再診した。MRIで左後頸部筋肉内、左肩甲背部皮下、右大腿外側筋肉内に腫瘍性病変を認め、腫瘍は全てT1強調画像で高信号、T2強調脂肪抑制画像で低信号を示し、脂肪組織の輝度と一致していた。腫瘍内の輝度はほぼ均一であった。生検をを行ったところ全て脂肪腫であり、生検から2週間後に摘出術を行った。病理組織学的に腫瘍は成熟した脂肪細胞からなり、脂肪腫として矛盾しない所見であった。しかし、左後頸部と右大腿部の腫瘍は、成熟した脂肪細胞の中に横紋筋線維束が散在しており、筋肉内脂肪腫と判断した。術後経過は良好で、現在も経過観察中である。
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