発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005140040
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2000年5月から2001年12月までにカラードプラと内視鏡を用いた小切開での軟部腫瘍摘出術を受けた良性腫瘍14例(皮下脂肪腫10例,筋肉内脂肪腫2例,アテローマ1例,滑膜包炎1例)を対象とし,その術式と成績を報告した.基本術式はカラードプラによる血管走行マッピングを基に皮切部位を決定して約2cmの皮切を加え,切開創から鈍的・鋭的に腫瘍を全周剥離し,もみ出すように体外に排出する.従来法と比較して剥離に時間がかかり,最長径10cm以上の腫瘍では分割摘出を要するなどの欠点はあるものの,剥離が困難な症例を除くと手術時間は40分未満で,いずれも従来法よりも皮切は小さく術後疼痛は軽度であり,美容面でも高い満足度が得られた.カラードプラは非侵襲的で,ある程度腫瘍の良悪が鑑別でき,腫瘍周囲の血管のマッピングにより手術計画に寄与するなどの利点が挙げられ,欠点を加味しても本術式による軟部腫瘍摘出術は有用であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005