発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006197902
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35歳女.臀部痛が出現し,MRIで仙骨部に辺縁不明瞭な輝度変化を認め,T1強調像で低輝度,T2強調脂肪抑制像で高輝度を示し,骨盤内臓側に骨外浸潤を伴っていた.骨シンチグラムでは仙骨にのみ異常集積を認めた.針生検を施行し,腫瘍は比較的よく分化した軟骨形成部と,類円形の未分化な肉腫様部分から構成されており,未分化肉腫様部分においても軟骨様基質を認め,間葉性軟骨肉腫と診断した.化学療法を開始し,イホスファミド大量療法4クールでT1腫瘍シンチグラム上集積が著明に減少した.更に重粒子線照射を計70.4Gy行い,化学療法を4クール追加した.[11C] methionine positron emission tomographyで照射前に認めた原発巣への集積は消失したが,1年後に膵臓,右臀筋,右大腿骨,左腸骨への転移が判明した.膵臓と右臀筋転移巣の切除術を施行し,切除腫瘍の病理所見は原発巣と同様であった.右大腿骨転移巣には放射線療法を行い,化学療法を施行中であるが,肺転移はない
©Nankodo Co., Ltd., 2006