発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005064343
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34歳男.左股関節痛を主訴とした.アルコール多飲歴があり特に誘因なく主訴が出現した.初診時,左股関節可動域の軽度の制限と外転,内旋で誘発される疼痛を認め,血液一般検査では肝機能障害,高脂血症と軽度炎症反応を呈し,ツベルクリン反応は陽性であった.単純X線像では左大腿骨頭に骨萎縮を認め,骨頭軟骨下骨は不鮮明であり,MRIでは左大腿骨頸部から骨頭にかけてT1強調像で低信号,T2強調像で関節内水腫を伴う高信号のびまん性輝度変化を認めた.また,骨シンチグラムにて帯状低信号像やcold in hot像は認めず,関節液培養は陰性であり一過性大腿骨頭萎縮症(TOH)と診断した.入院後,左下肢免苛で股関節痛は軽減し,X線にて大腿骨頭の輪郭は明瞭となったが,入院1ヵ月後に右股関節痛が出現し,左股関節と同様の所見よりTOHと診断された.右下肢免苛にて軽快し,発症後1年6ヵ月,両股関節ともに疼痛や可動域制限はみられず,X線像に両大腿骨頭の骨萎縮や変形も認められない
©Nankodo Co., Ltd., 2004