発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005037779
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81歳女.右変形性股関節症に対して右人工股関節全置換術を施行された.誘因なく右大腿部痛が出現し歩行不能となった.X線像で右大腿骨転子下部の内側・外側に骨折線があり,ステムの全周に骨透亮像を認めた.以後,移動時は介助により車椅子を使用した.誘因なく右大腿部痛が増強し動けなくなったため,入院のうえ介達牽引を開始した.不穏となりベッド上で激しく暴れたため翌日X線撮影をしたところ,ステムの先端で新たに横骨折をきたし著しい軸転移が認められた.高齢で重度の痴呆があるため,手術は行わず介達牽引を続けた.右大腿部痛が強いため,硬膜外カテーテルをL3/L4に留置し疼痛コントロールを行った.X線像では骨折部周囲に仮骨が認められた.腫脹,疼痛は消失したが,重度の痴呆のため歩行練習を行うことはできなかった.現在,自宅で生活し,疼痛はなく介助により車椅子移動を行っている
©Nankodo Co., Ltd., 2004